2009年11月07日
「小回りのきくパパママストアこそ、不況に強い経営体である」
2009年11月05日
「販売管理費の低い経営スタイルは激安で集客できる」
一方、売上高に占める販管費比率が低いのがネット通販会社です。売場を持っていませんから、人件費や陳列コストなどは不要です。さらに、顧客から注文を受けてから商品をメーカーから仕入れ、顧客に発送すると在庫コストもゼロです。家電製品のように商品ライフサイクルが短い商品の場合、販売のタイミングを逸してしまうと、たちまち不良在庫になりかねません。ですから、店舗に商品を陳列して販売するスタイルは、消費者からすると商品を手にとって確認できるメリットがあるものの、経営者視点からすると販管費がアップし、損益分岐点が上昇するためリスクになります。店頭価格には陳列コスト、人件費が上乗せされているため”最安値”をうたう店であっても、価格競争力は弱まり安くなくなります。そう売上高に占める販管費比率の高い店は激安を実現できない可能性が高いのです。もともと大手家電量販店はメーカーの価格統制を無視して安売りを展開し、企業規模を拡大してきました。しかし、企業規模の拡大に合わせて売上高に占める販管費比率も高くなり、皮肉な話ですが品そろえは充実したものの”激安”で集客することは困難になってきました。中小企業と屏風は広げると倒れるという経営格言があるようですが、企業規模が大きくなっても売るためのコストを広げない努力こそが、激安をつくり、集客力を維持できるのではないでしょうか?
2009年11月02日
「”安かわいい”が消費者のハートをがっちりつかむ!」
H&M、Foreverともに上から下まで全部揃えても予算1万円以内で変身することができます。しかも値段は安いのですが、見た目だけではその安さを感じさせないんです。少なくとも2万円以上には見えます。両社ともにデザイン性、色目といった”外見から判断できる部分”に対しては気合を入れて開発していることが窺えるものの、着心地や繰り返し洗濯した際の耐久性や質感といったものは思い切ってカットしています。両社の商品と日本のSPA企業が販売する同等商品をと比べると、明らかにH&M、Foreverの商品は耐久性がなさそうです。ところが「耐久性のなさ」が逆に消費者から支持されているんです。一見、矛盾しているようですが両社を愛用するファッションリーダーは同じ服を2シーズン着ることはありません。つまり2ヶ月もてばいいのです。一方、日本のSPA企業が販売する商品は”丈夫過ぎ”でかつ割高になわけです。長持ちはしないけれど値段は安く、デザイン性は際立って、かわいい、かっこいい。それが、ファーストファッション時代の消費者ニーズなんです。
わが国のアパレル産業は高品質で耐久性もあるが故に成長してきたのですが、アパレル商品が生鮮三品のように「なまモノ」になった今、「よい衣料品」に対する消費者意識は変化しました。デザイン性、耐久性、価格のバランスをどのようにとるのか?アパレル関係者は時代の空気を読みながら、微調整していくことが、売れ続ける店作りのポイントではないでしょうか?
2009年11月01日
「無駄遣いリスクの低い業態が支持される」
従来のコンビニの売場では自宅に持ち帰り「すぐ食べられる、“加工度の高い”弁当、総菜などが中心でしたが、昨今は消費者の節約志向、健康志向の高まりにつれ、自宅で“ひと手間”調理して食事をするための野菜、果物などの生鮮三品、豆腐、納豆、ハム、ソーセージなどの日配品の品揃えを拡充しています。もはやコンビニというよりもミニスーパーといっても過言ではありません。コンビニといえば24時間いつでも買い物できる利便性はあるけれど「値段は高い」というのが特徴でしたが、最近ではプライベートブランドの冷凍食品、レトルト食品、パン類などを導入するなど、一般の食品スーパーと値段的にも同等もしくは、安いくらいの商品も品揃えされています。試しに夕食のおかず(二人前)として、冷凍食品のピラフ2個、冷ややっこ、みかん、味噌汁、納豆で約600円、一人前300円以内でおさめることができました。店内にいるお客さんによると「スーパーマーケットに行くと、なんでもあり過ぎて、衝動買いしてしまい、お金を使ってしまう。コンビニならば必要なものは品揃えされているものの、品揃えに限りがあるので“無駄遣いしない”」と言います。店員さんも今年の夏以降、「給料日前になると主婦の方の来店が増えてきた」と言います。食品スーパーマーケットはコンビニよりも売場面積も広く品揃えも充実していますが、その分、無駄遣いリスクも高いわけです。だから無駄遣いリスクの低いコンビニを使う。主婦の経済感覚は極めて敏感なんですね。その感覚に対応したコンビニこそが業績を伸ばすのではないでしょうか?