イオングループによるダイエー株取得が発表されました。全国、どこに行ってもイオンの看板を見かけるため、「これ以上、店を増やす意味があるのか」というのが、率直な感想でした。ダイエーは駅前中心、イオンはロードサイド中心に出店してきたため、商圏は重なるものの、面としてみれば、グループ全体のシェアは高まります。確かにそうかもしれませんが、もはや消費者は徒歩や自転車で買物に行く機会は少なく、駅前店舗はイオンにとって魅力的とは思えません。では、なぜ、ダイエー株取得に走ったのか。おそらく、ダイエー株取得の「おまけ」としてついてくる、食品スーパー「マルエツ」の経営権獲得が目的ではないでしょうか。もともと、イオングループは中部圏、関西圏を地盤としており、首都圏にはイトーヨーカ堂を筆頭に西友など、関東を地盤とする足腰の強いスーパーマーケットが存在していたため、イオングループといえども、首都圏に参入することは困難でした。一方、マルエツはダイエーの子会社として、人口密度が濃い、東京圏(一都五県)を中心に中・小型店を約190店舗展開。極めて物流面・営業面等で効率的な経営を行う優良企業です。ダイエーとマルエツはお互いに商圏の隙間を補完しながら、良好な関係を保ってきました。東京圏に基盤を築きたいイオングループにとって、マルエツを傘下におさめることで、一気に店舗網を築くことができるため、喉から手が出るほど欲しいようですよ。でも、規模の拡大し過ぎによって、くれぐれも、かつてのダイエーのようにならないで下さいね。「戦略的な規模の拡大は企業価値を高める」イオンの売場を歩きながら感じました。
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