2011年01月09日

「演出力のある店だけが、景気低迷の中、成長する」

 2011_01_09写真 (1).JPG新年あけまして、おめでとうございます。今年も、お世話になりますが、よろしくお願い申し上げます。さて、新年の有楽町をぷらぷら歩いているとガード下に行列ができる店を見つけました。その名も「魚○本店(うおまるほんてん)」。沼津直送の新鮮な鮮魚類を中心に提供する海鮮居酒屋です。店頭には畳半分ほどの巨大な網が置かれ、まるで、漁が終わった海岸のよう。網の上には客から注文を受けた鯛、鯵(あじ)などの干物が並べられ、炭火で煙をあげながら焼かれています。一歩、店内に入るとそこには漁師さんの台所といった雰囲気。天井から裸電球が吊るされ、古くなった漁船を、そのまま客席に使用するなど、漁具をメンテナンスする番屋のようです。そんな漁師さんの香りがプンプンする店内を歩きながら、席に向かうと、食べる前から「きっと、この店はうまいに違いない!」。そんなプラス先入観を来店客に与えてくれます。景気低迷が叫ばれていますが、同店は毎晩、行列ができています。というのも、前述の通り、店内の装飾を漁師の番屋風にしたり、店頭に炭火の網を並べ干物を焼いたり、単純に酒類と鮮魚類を提供するだけでなく、「お客が財布を開きたくなるような」、「売場演出」に力を入れているからです。豊かになった今、料理や酒を出し、満腹感と、ほろ酔い気分を提供するだけでは、必ずしもお客は満足しません。ましてや「また、行きたい」とは思いません。素材がいいということは、繁盛店の必要条件であり、十分条件ではありません。経営者によっては「うちは素材がいいから」といって、そのことにあぐらをかいて、お客を楽しませようとしない方も少なくありません。そんな店では、売上が伸びない原因について景気低迷を挙げてきます。一方、魚○本店のように元気な店では、スタッフが威勢のよいかけ声をあげ、お客を楽しませようとする「演出力」を強化しています。そう、お客をいかに「楽しませるか」、徹底的に工夫している店だけが、売上アップの突破口を見つけ、伸びていくのではないでしょうか?
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2010年11月14日

「買物習慣の回復が、再成長の起爆剤になる」

IMG_2941.JPG売場面積を従来の1.5倍、約3万6千平方メートルに増床し、9月に新装オープンしました三越銀座店。開店から約2カ月経過した今も賑わいが続いています。同店は銀座地区にある商業施設の中で最大規模となり、初年度売上目標を630億円に設定しています。開店当日は約18万人の来店客数を記録するなど、好調な滑り出しですが、商業施設はオープン初日から陳腐化が始まります。開業した瞬間から、次の一手を打ち続けない限り、お客様から飽きられてしまいます。百貨店業界はピーク時13兆円台の売上に達しましたが、バブル経済の崩壊、郊外型ショッピングセンターの成長、ファストファッションと呼ばれる衣料品専門店の台頭などで、現在の20代女性の間では、百貨店で「物を買う習慣」さえも、なくなりつつありました。その結果、業界全体の売上高は6兆円台にまで落ち込みました。そこで新しい三越銀座店では「百貨店への買物習慣を取り戻す」ためのスペースを十二分に設けました!その一つが9階にカフェ、託児施設、テラスガーデン(芝生広場)等から構成されるフリースペース“銀座テラス”です。買い物をする、しないにも関わらず、気軽に立ち寄れることができます。消費者が豊かになったことで従前ほど買う物が少なくなった昨今、百貨店に来店する“きっかけ”も少なくなり、売上減に歯止めをかけられませんでした。銀座テラスを設けたことで、百貨店への来店頻度アップに寄与し、お客様を9階まで足を運ばせることにより、シャワー効果(上層階に客を呼び込み、下層階の売場に回遊させる効果)による売上増も期待されます。例えば、家族で(銀座)三越に来店し、母親が買物している間、父親と子供が銀座の景色を見ながらテラスガーデンで遊ぶ。このように子供たちに対し、「百貨店は楽しいところ」ということを記憶に焼き付けることで、百貨店への“来店習慣”を醸成し、未来の見込み客となるわけです。これからの百貨店業界では「買物習慣を回復させる」施設等を設けることが、再成長への起爆剤となるのではないでしょうか?
posted by marunouchi21 at 18:50| 東京 ☀| Crowd is Money | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月01日

「見栄を張らずにできるビジネスは景気低迷時でも景気がよい」

 IMG_2161.JPG東京都港区赤坂界隈には韓国料理店などが100店舗以上、集積していますが、なかでも、毎日、満席になっているのが「とんちゃん」という鉄板焼きの店です。同店ではサムギョプサルという豚のバラ肉、通称3枚肉を鉄板の上で表面がカリッとなるまで焼き、その脂で同時にキムチなども焼き上げ、焼きあがった豚肉やキムチをサンチュでくるみ、ゴマ油やみそにつけて食べる料理です。1人前、1029円、付け合わせのナムルやカクテキ(大根のキムチ)、サンチュは食べ放題です。あぶらまみれの床や壁、ドラム缶をひっくりかえして作ったような質素なテーブル、オイル缶を逆さに、座布団を載せただけの椅子といったように、店内は都心部の赤坂にありながら、ソウルの下町、南大門付近にあるかのような雰囲気です。そんな店構えですから、気取ることなく、また見栄をはることなく、ふらりと立ち寄れますし、たとえ店が汚れていても、逆に「流行っている証拠」、「なんだか、味わいがあって、よい」と、お客からはプラスの評価になるようです。一方、高級焼肉店と呼ばれる店は、どちらかというと閑古鳥。企業の接待や、打ち上げといった予算が削減されるなか、今時、会社の経費でも高級料理店に足を運ぶことは憚れます。ましては、節約志向が強まるなか、個人のお金で高級焼肉を食べようという方は、多くはありません。そう、好景気の時は見栄えがきれいな高級店も利用されますが、景気が悪化すると利用頻度は著しく低下します。ところが、大衆的な鉄板焼きの店は景気に左右されることなく、繁盛しています。つくづく思うのですが、見栄はコストであり、リスクなんです。よく、お金に余裕ができると、おしゃれな飲食店を経営される方もいらっしゃいますが、意外と長続きしません。大衆的な立ち食いそばや店舗の装飾にお金のかからない焼き鳥、鉄板焼きなどは、長く続いています。会社経営の目的の一つがゴーイングコンサーン(継続)であるのならば、見栄をはらなくてもできる商売こそが、景気低迷時に売上、収益を確保できるビジネスではないでしょうか?
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2010年07月25日

「新たな流通チャネルの開拓が、生き残りのカギとなる」

 IMG_1624.jpg先日、デジタルカメラを買い替えたのですが、今から20年前を振り返りますと、カメラはカメラ屋さんで購入したものですが、今では家電量販店で買い物するようになりました。カメラがフィルムから、デジタルに移行したことにより、商品の位置付けもカメラから電化製品へと移行したことに伴い、売っているチャネル(売場)もカメラ店から家電量販店に変わりました。同様にビール、文房具、雑誌なども、20年前、消費者がよく買っていた店と現在、買っている店を比較してみると、ビールは酒販店から酒ディスカウントストア、そして現在はコンビニエンスストア(コンビニ)、文房具も文具店からコンビニ、そして現在は100円ショップ、雑誌類も書店からコンビニへと変化しました。ビール、文具のメーカーや出版社では、当時、まだ、流通チャネルとして確立するかどうか未知数だったコンビニに注目しチャネル開拓を行いました。コンビニが登場した直後は「24時間営業なんて、採算があうわけない」など懐疑的でした。例えば日本酒業界では、旧来からの強固な酒販店ルートを持っているので、同一商圏内にコンビニができると、旧来からの取引先と競争関係になります。そのため商品をコンビニに卸さないメーカーが大半でした。周知の通り、多くの酒販店は市場から姿を消したことにより、日本酒メーカーでは流通チャネルも失いました。コンビニルートを開拓していたメーカーは少数派のため、酒販店がなくなった結果、日本酒の消費量も下落を続け、ピーク時の6割程度の売上規模へと縮小しました。そう、消費者が便利と感じる売場は変化しているわけですから、その変化に応じて新しい売場を開拓したところだけが、売上を伸ばすことができるのです。今では社会のインフラとして確立しているスーパーマーケットでさえ、当初は「スーっと出て、パ〜っと消える」と考えるメーカーも少なくなく、商品を苦労して調達したと言われています。新たな流通チャネルは10年後の主流になるかもしれません。どの業界においても、将来を見据えたチャネル開発が生き残りのカギになりそうです。
posted by marunouchi21 at 22:50| 東京 ☀| Crowd is Money | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月18日

「社会情勢によって、顧客の喜ぶサービスは変化する」

 IMG_0250-1.JPG家電量販店や大手スーパーマーケットを中心に、購入金額に応じて蓄積されるポイントシステムは固定客化の手段として活用されていましたが、昨今、ポイント付与率を減少させたり、廃止するチェーンが増えてきています。その理由として大きく二つ挙げられます。一つは消費者側のポイント慣れです。前述の通り、ポイントシステムは購入金額に応じて、金券と同様に還元され、事実上の値引きを行っていましたが、今や、どこの店においてもポイントサービスを実施しているため、ポイント還元による「ありがたみ」が薄れてきました。以前はポイント還元率がよいお店ですと、トクした気分になったものですが、現在では多くの店で、実施されていますので、それほど、うれしくはありません。その結果、売り手側も、ポイント導入時に期待した顧客の囲い込み、固定客化を実現できにくい環境になってきました。さらに、長引く景気低迷に伴い、消費者の間で、ポイントで還元するのではなく、その場で店頭価格を値引きして欲しいといった声も高まっていました。一方、売り手側においても、ポイント還元の引当金を会計上、負債に計上するため、事実上、「お客に借金をする」状態となっていました。その結果、経営状態をあらわす財務諸表の経営指標を著しく悪化させていました。また、各チェーンともに売上が上昇傾向にあれば、ポイントシステムを運用するコストをかけても、売上高対販管費比率を適正化できますが、売上が伸びなければ経営指標の悪化につながるだけです。さらに上場しているチェーンの場合、経営指標の悪化は、株価の下落といった影響につながり、場合によっては株式市場からの資金調達が困難になる恐れも出てきます。このように消費者側、売り手側双方ともにポイントシステムの見直しニーズが高まった結果、還元縮小、廃止といった流れになっているわけですね。流通業界において固定客化は永遠の課題ですが、今こそビジネスの原点に回帰し、「消費者の満足度を最大化するサービスな何なのか?」再検討する時期に入ってきているのではないでしょうか?
posted by marunouchi21 at 22:50| 東京 ☀| Crowd is Money | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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