2009年12月12日

「企業の独自性を高めることがデフレ脱却のキーワードである」

IMG_0817.JPG デフレの象徴として大手牛丼チェーンの値下げがメディアで話題となっています。業界最大手、吉野家では牛丼(並盛 380円)とみそ汁(50円)、さらにサラダ、漬物、キムチのいずれか一品(各90円)をチョイスしセットで500円で販売。三品をバラで購入した合計額520円よりも20円安くし、ワンコインで食べられることで割安感を強調し、客単価向上を目指しています。追いかける松屋フーズも牛めしとサラダ、みそ汁をセットにした牛めし野菜セットも520円から460円に値下げ。吉野家よりもセットメニューでさらに40円値下げすることで対抗。さらに外食大手ゼンショーが運営する「すき家」でも牛丼(並)みそ汁サラダセットを430円から380円に値下げ。つまり、すき家はセットメニューにおいて、吉野家よりも120円、松屋よりも40円安く設定し、勝負に出ています。価格面においては他チェーンと比べ、競争力を失った吉野家ですが、客数はそれほど減ってないようです。消費者の多くは「牛丼=吉野家」という方も多く、他のチェーンが値下げしたからといって吉野家ファンは簡単にはブランドスイッチしません。まさに、王者の風格です。しかし吉野家以外のチェーンは厳しく、近隣にその店の牛丼と同じ、もしくは安い価格帯の弁当等を販売するスーパーマーケット等が立地していると、消費者は「牛丼をやめて、250円弁当にでもしようか」とブランドスイッチする方も増えています。どうやら、好景気時に「独自の得意分野を持ち、価格に左右されることなく来店する客を創ってきたか」。それを実践し、ブランドイメージを確立しているチェーンのみがデフレに打ち勝ち、お客様から支持されるようです。今、日本社会全体において”値下げ合戦”が繰り広げられていますが、値下げしてデフレを加速させるよりも、お客に認知されるような差別化サービスを実施することの方がデフレ脱却の近道ではないでしょうか?
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2009年11月02日

「”安かわいい”が消費者のハートをがっちりつかむ!」

 IMG_3727.JPG景気低迷が長期化するなか絶好調なアパレル企業があります。それがH&MとForever21(以下、Forever)です。原宿・明治通り沿いに軒を連ねる両店は平日でも行列ができ、開店から半年あまり経過した今も、日曜日ともなると30分以上並ぶ日も少なくありません。爆発的な人気を呼んでいるキーワードは「安かわいい」です。
 H&M、Foreverともに上から下まで全部揃えても予算1万円以内で変身することができます。しかも値段は安いのですが、見た目だけではその安さを感じさせないんです。少なくとも2万円以上には見えます。両社ともにデザイン性、色目といった”外見から判断できる部分”に対しては気合を入れて開発していることが窺えるものの、着心地や繰り返し洗濯した際の耐久性や質感といったものは思い切ってカットしています。両社の商品と日本のSPA企業が販売する同等商品をと比べると、明らかにH&M、Foreverの商品は耐久性がなさそうです。ところが「耐久性のなさ」が逆に消費者から支持されているんです。一見、矛盾しているようですが両社を愛用するファッションリーダーは同じ服を2シーズン着ることはありません。つまり2ヶ月もてばいいのです。一方、日本のSPA企業が販売する商品は”丈夫過ぎ”でかつ割高になわけです。長持ちはしないけれど値段は安く、デザイン性は際立って、かわいい、かっこいい。それが、ファーストファッション時代の消費者ニーズなんです。
 わが国のアパレル産業は高品質で耐久性もあるが故に成長してきたのですが、アパレル商品が生鮮三品のように「なまモノ」になった今、「よい衣料品」に対する消費者意識は変化しました。デザイン性、耐久性、価格のバランスをどのようにとるのか?アパレル関係者は時代の空気を読みながら、微調整していくことが、売れ続ける店作りのポイントではないでしょうか?
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2009年11月01日

「無駄遣いリスクの低い業態が支持される」

 IMG_0300.JPG 千葉県浦安市と市川市の境にある交差点ではセブンイレブン、ローソン、ファミリーマートの大手三社が交差点の四つ角のうち3か所を占め、各社ともに品揃えを工夫しながら顧客獲得に力を入れています。具体的に「どのような工夫」がなされているのでしょうか?
従来のコンビニの売場では自宅に持ち帰り「すぐ食べられる、“加工度の高い”弁当、総菜などが中心でしたが、昨今は消費者の節約志向、健康志向の高まりにつれ、自宅で“ひと手間”調理して食事をするための野菜、果物などの生鮮三品、豆腐、納豆、ハム、ソーセージなどの日配品の品揃えを拡充しています。もはやコンビニというよりもミニスーパーといっても過言ではありません。コンビニといえば24時間いつでも買い物できる利便性はあるけれど「値段は高い」というのが特徴でしたが、最近ではプライベートブランドの冷凍食品、レトルト食品、パン類などを導入するなど、一般の食品スーパーと値段的にも同等もしくは、安いくらいの商品も品揃えされています。試しに夕食のおかず(二人前)として、冷凍食品のピラフ2個、冷ややっこ、みかん、味噌汁、納豆で約600円、一人前300円以内でおさめることができました。店内にいるお客さんによると「スーパーマーケットに行くと、なんでもあり過ぎて、衝動買いしてしまい、お金を使ってしまう。コンビニならば必要なものは品揃えされているものの、品揃えに限りがあるので“無駄遣いしない”」と言います。店員さんも今年の夏以降、「給料日前になると主婦の方の来店が増えてきた」と言います。食品スーパーマーケットはコンビニよりも売場面積も広く品揃えも充実していますが、その分、無駄遣いリスクも高いわけです。だから無駄遣いリスクの低いコンビニを使う。主婦の経済感覚は極めて敏感なんですね。その感覚に対応したコンビニこそが業績を伸ばすのではないでしょうか?
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2009年09月01日

「リスクを負った消費者の意見がチェック機能を強化する」

0001.JPG 政権交代のどさくさに紛れるかのように本日、9月1日、消費者庁が発足しました。同庁の設立は一見、生活者志向に見えるのですが、果たして消費者にとって必要な役所なのでしょうか?そもそも民間企業、なかでも大手流通業では消費者庁が設置される相当以前から取扱商品に関する品質チェック体制を自主的に強化しています。というのは万が一、消費者に害を与える商品を販売したとなると、消費者への損害のみならず、企業イメージの低下という金銭では計り知れないほどのダメージを被るからです。また、インターネットなどが発達した今、消費者が気軽に不特定多数に意見を述べることができます。価格.comなどを見れば、先に買ったユーザーの感想などが述べられ、これから購入するべき消費者は買った人の意見を参考にしながら購入することは可能です。つまり、売り手である小売業者とリスクを負って購入した消費者双方の意見によって、チェック機能は働いているのではないでしょうか?そのチェック機能を国が担うというのは、当然、そのコストは税金もしくは商品価格に上乗せされる可能性があります。チェック機能を充実させることは重要ですが、それを行政(官)に頼ることは好ましいことではありません。官がお墨付きを与えるとなると、官の外郭団体という名の天下り先等と利害関係者が癒着し、場合によっては物価上昇の要因になる可能性もあります。既にETCシステムなども、ETCを搭載するだけで国土交通省の外郭団体 財団法人・道路システム高度化推進機構にお金が落ちるようなシステムになっています。官に頼らなくても、安心・安全を確保するためには消費者自らがネット上で意見を述べたり、商品に関する情報を集めることが重要ではないでしょうか?自立した消費社会を創り、無駄なチェック機能をなくすためにも官への依存は最小限に抑えたいものです。
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2009年01月19日

Marunouchi Online Daily Column 2009/01/19(Mon)

「お客の”いい”を追求するとヒット商品になる」

FI2621516_1E.JPGS社からズボンの後ろポケットに入るモバイルPC(700グラム前後)が発売されました。普段からパソコンを持ち歩いているため1gでも軽いほうがいいわけですね。早速、実機を試したいと思い、期待に胸を膨らませて量販店の店頭に出かけました。画面サイズは8インチと小さく、確かに軽いのですが、画面上に映し出される文字は小さ過ぎるため疲れてしまい、せいぜい5分ほどしか画面を見続けることはできません。では文字サイズを大きくすると、今度は画面全体を見ることができず、作業しにくくなるんですね。お客があっと驚く商品を市場に投入し、お客のニーズさえも創造してきた同社でしたが、今回の商品については、あまりにも、お客の声を聞かずして開発した感は否めません。では、ユーザーはモバイルPCに対して、どのような機能を求めているのでしょうか?それは、軽くて、画面は小さいけれども、文字は大きく、長時間画面を見ても、目の疲れを軽減。さらにスクロール機能なので、画面全体を読み取ることができることです。欲を言えば持ち歩いているとパソコン本体を落下させる恐れもあるため、仮に壊れても買い替えが容易な価格帯であることが望ましいわけです。ですから大手量販店で最も売れている台湾ACER社のモデルは実質4万円台前半でかつ、前述の条件をすべて満たしています。一方、S社の新製品は99800円とACER社の2倍の価格です。しかも、モバイルPCユーザーが求める機能はほとんど搭載されていません。(S社が得意とする音楽、映像の機能は満載されていますが、モバイルユーザーは必要としているかどうかは疑問です。)改めて、商品開発の際、開発者が思う「お客が喜ぶこと」と、実際にお客が喜ぶことを一致させなければ、独りよがりなトンチンカンな商品に仕上がってしまうわけです。ちょっと悲しいですがS社の新製品を触りながら強く感じました。

【金子哲雄のDaily Click】

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・食いだおれ日記
http://marunouchi.ameblo.jp/

・世界の売場から from New Yorkが発売されました
http://www.book246.com/item_americas_f.html

・買いの法則、売りの原則〜街が教える繁盛への道〜
http://www.estore.co.jp/s-honya/cat3/cat3-0052.html

・株式会社ジンテックさま 内海新聞
http://www.jintec.com/corp/utsumi/atcl.php?issue=12
posted by marunouchi21 at 23:39| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 今月の顧客視点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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