2010年03月08日

「不況時は低単価・高回転率ビジネスが強い」

 IMG_0513.JPG大阪を訪ねると必ず立ち寄るのが梅田にある「きじ」というお好み焼き屋さんです。牛すじの入ったすじ焼きと、やきそばが入ったモダン焼きを注文するのですが、食べる度に深い感動を得られます。さらに、この店はビジネスに必要な知恵をすべて教えてくれます。まずは、初期投資を抑えるということ。例えばフランス料理店を開業するとなると、皿やナイフ、フォーク、ワイングラスなどの備品が必要ですが、お好み焼き店の場合、大きな鉄板があれば、グラスもビール会社から無償提供されたもので済ませられます。原材料もフレンチと異なり、小麦粉と玉子、キャベツくらいですから、金額もしれています。やり方次第では初日から営業黒字も可能です。フレンチとお好み焼き、単価を比べると、フレンチは高額のため、食する頻度も低いです。また、景気が低迷していると高額なフレンチを食べたいという気持ちにもなりにくいです。一方、お好み焼きは低単価でかつ、フレンチよりも商品回転率は高いです。店舗施設に関しても、減価償却済みでも、お客を呼ぶことができます。例えば、フレンチの店で店頭が汚れていたり、店内の壁がすすけていると、「手入れが行き届いていない」と思われ、集客力を落としますが、お好み焼き店の場合、どんなに、すすけていても、逆にお客は「老舗の味わい」とプラスにとらえます。つまり壁の塗り替えなどは、ほとんど不要です。なかでもお好み焼き店の一番の強みは”ライブクック”です。お客の目の前で調理されている様子は、一つのパフォーマンスであり、湯気とソースの焼ける香りは鉄板周辺にシズル感を醸し出し、食欲を向上させます。出来上がるまでの時間は”どんな味わいを楽しめるのか”期待感を高めてくれます。お好み焼きのように低単価で見栄をはらないビジネスは景気に左右されない強さがあるのではないでしょうか?
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2010年03月06日

3月は生鮮三品の掘り出し物が出やすい季節である」

  IMG_0520.JPG 3月は多くの企業において決算期のため、決算セールを実施しています。経済指標を見てみると、新設住宅着工件数、すなわち持ち家、貸し家、分譲住宅の新規供給が昨年に比べ、約8%減少しています。つまり、新規の住宅が供給されなければ、引越しによる家電製品などの買い替え需要は伸びず、関連する商品は在庫過多になり、価格は下落傾向にあります。また、42インチの液晶テレビも、累積生産台数の増加によるコストダウンにより、昨年の同時期、18万円台だったものが、今では99800円!どうやら、景気が悪いため、モノを買わないというのは誤解であり、商品単価が下落したため売上減になっているのであって、けっして買う気がない、消費意欲がないというわけではないようです。さて、3月初旬は冬から春に移行する端境期であり、”仕入れ担当者泣かせ”のシーズンと言われています。前日と比べ気温が5度以上変化すると、モノの売れ行きまでも変化します。例えば前日よりも5度気温が上昇すると、人間の体は「暑いから、体を冷やそう」という機能が働き、体を冷やすと言われる食材、キャベツ、トマト、レタス、キュウリなどの売れ行きが堅調になります。売場ではドレッシングを販売するなど関連購買で客単価アップを目指します。一方、前日よりも5度気温が下降すると、人間の体は「寒いから、体を温めよう」という機能が働き、体を温めると言われる大根、かぼちゃ、かぶといった地面よりも下で育つ作物を食べたくなります。気温変化の激しい3月は、天候によって毎日のように、消費者の欲する商品は異なるため、仕入れ担当者は適正量を確保できるか否かが鍵になります。それでも、仕入れミスが生じると在庫が増え過ぎてしまうと、見切り販売せざる得ません。ということは3月のスーパーマーケットでは生鮮三品の掘り出し物がざっくざく出てくるかもしれませんね!
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2010年02月27日

「懐かしさを感じさせる売り方が購買意欲を喚起する」

3-1.jpg  新幹線開業前の青森市を訪ねました。今年の12月、青森に新幹線が延伸します。青森駅前では経済効果を期待し、盛り上がっているかと思いきや。実は新幹線のために建設された新青森駅が開業するため、現在の青森駅は在来線のみとなるため、中心市街地の地盤沈下が起こるのではないかと、地元の街づくり関係者の間でも危機感を抱いているようです。そんななか、懐かしい街並みを築いている場所がありました。現在の青森駅から徒歩5分ほどのところにある古川市場です。同市場は青森魚菜センター、青森公益魚菜市場、青森新鮮食品センターで構成されています。建物のデザインはなんとも昭和らしく、レトロな雰囲気を醸し出しています。公益魚菜市場の中には館内には約20店ほどの鮮魚店、青果店、そして総菜屋さんが並んでいます。今、市場で大人気なのが「のっけ丼」。お客は白いご飯を100円でどんぶりいっぱい、購入し、市場内の各店舗を回り、大間産のマグロやホタテ貝、下北産の生うになどを載せてもらい、自分好みの丼物をつくれるんです!市場の中の店を回りながら、丼を組みあげている楽しみは、なかなか他の地域では味わうことができません市場で働く人たちは、一つ一つの食材のよい部分、おいしい部分をより、お客さんに伝えたい!そんな思いから、魚のカット方法をよりおいしく見えるよう工夫したり、盛り付けなども、丼からあふれんばかりにし、ボリューム感を出したりと、お客にとって心地よい演出をしてくれます。そう、都会の観光客が期待しているのは公益法人等により建設され、運営する近代的な物産館ではなく、人のぬくもりを感じられるような、昭和の香りや懐かしさを感じさせるような商業空間なんです。けっして建物が美しい必要は全くないのです。今こそ、ハードではなく、ハートで接する、昭和型商業集積がニーズとして高まっているのではないでしょうか?
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2010年01月04日

「渋谷系ギャルが日本経済を救う」

IMG_0950.JPG 1月1日から3日かけて、渋谷、原宿、新宿、池袋、上野、銀座・有楽町の初売り商戦を歩きました。渋谷から明治通り沿いの地下を池袋まで、主要商業集積を進む東京メトロ副都心線は、福袋を2、3個持った10代の女性からファミリー層までが乗車しており、まさに「福袋買い出し列車」とかしていました。メディアでは「デフレで不況だ不況だ」ということを耳にしますが、消費者の購買意欲は衰えていませんでした。お客が手に持つ紙袋の数から、一人当たりの客単価を推定すると渋谷地区で2万円前後、新宿地区で1.5万円前後、銀座界隈において3万円前後といったところでしょうか。おそらく2009年、節約志向を強めた結果、消費者の間で「節約づかれ」によるストレスが溜まっていたと思われ、そのストレスを一気に爆発するかのように、お正月の福袋商戦に挑んだといった様相がうかがえます。山手線内の主要商業集積のなかでも、最も消費者の買い物に勢いがあったのは渋谷109に集まる渋谷系ギャルたちでした。年齢は10代後半から20代前半、なかには1歳から2歳のお子さんを連れた”ママギャル”も見かけました。経済指標的には景気悪化と言われていますが、消費者は景気が悪いからお金を使わないというわけではなさそうです。例えば渋谷109の店舗では1週間おきくらいに新しいデザインの商品を投入し、店頭において着こなしを提案。さらに雑誌メディアがそれらの情報を伝えることで、新たなファッション需要を創造し、消費者の購買意欲を喚起しています。ユニクロに代表される量販店では大量生産、大量販売で成長する一方、個性的なブランドは「少量・売り切り」生産販売により、常に「今、買わなかったら、手に入らないかもしれない」という飢餓感を演出することで、消費を活性化するのではないでしょうか?それにしても渋谷系ギャルの勢い、今年も止まらなさそうです。
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2009年12月14日

「新規客層を開拓するブランドが成長軌道に乗る」

  IMG_0870.JPG臨海副都心地区にあるヴィーナスフォートがリニューアルし、アウトレットフロアーがオープンしました。49のショップが入居する同フロアには渋谷、原宿などで人気のブランドをはじめ、アウトレット初出店のブランドも19あるなど、郊外型モールに比べ小規模ですが注目度の高いテナントミックスになっています。銀座からゆりかもめに乗り、約30分で来館できるため、平日の会社帰りにも立ち寄れます。都市型の場合、電車やバスといった公共交通機関でも簡単にアクセスできるのも魅力です。都心部に出店し、来館利便性が高まったことで、正規価格で販売している百貨店、専門店と至近距離にアウトレット店が立地していると正規価格で買う客がいなくなるのでは?という懸念もありますが、都市型と郊外型では微妙にブランド側の出店戦略に違いがあるようです。従来の郊外型は在庫を処理する場でしたが、都市型では「顧客創造の場」としての位置づけています。景気低迷に伴い、はじめてそのブランドの商品を購入するエントリーユーザーが減少しているため、ブランド側も正規価格で販売すると、やや高価なため、新規顧客層を獲得することは困難です。そこでエントリーユーザー向けに低価格ラインを中心に品揃えし、まずは、そのブランドを知ってもらうための場として活用しています。百貨店の衰退が叫ばれて久しいですが、その原因の一つとして自宅通勤・短大卒・正社員OL(以下、旧型OL)が労働市場においてほぼ消滅したことが挙げられます。つまり、比較的可処分所得が高く、百貨店におけるエントリーユーザーだった旧型OLがいなくなった結果、ブランドでは新たに自社でエントリーユーザーを育成する必要があるわけです。そのニーズにマッチした業態がまさに都市型アウトレットです。景気低迷の今、新しい客層を開拓する業態は成長していくのではないでしょうか?
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